スペック不足で、8X8ピクセルサイズで無理やり漢字を表示していた「レトロゲーム」の思い出

 文章を読む際、ひらがなやカタカナのみで書かれた文章は大変読みづらいですよね。できれば漢字かな交じりの文章の方が、即座に文脈を理解しやすいと思います。

 今回はゲームハードがスペック不足であるために、8X8ピクセルサイズで無理やり漢字を表示していた「レトロゲーム」のお話です。

 日本ファルコムから発売された「イースⅡ」というゲームがあります。昭和63年に発売されたもので対応するハードも多く、私は当時MSX2を所有しており、このソフトのMSX2版を購入しました。(今までやったゲームの中でイースⅡがベストゲームです。)

 MSX2版は、PC-88SR版やPC-98版といったFM音源や漢字が表示できるハードのものとは違い、移植する際に音楽はPSG音源(3音)、漢字は8X8ピクセルサイズで無理やり漢字を表示していました

 余談ですがイースⅡの前作のイースでは、FM音源を使えないハード(MSX2、X1、FM-7等)に関しては複雑な楽曲は別の楽曲(PSG音源)と差し替えていたほどです。

 さて漢字表記の話に戻しますと、MSX2自体は漢字に対応していなかったわけではないのですが、漢字対応機種やカートリッジを差し込むことによって漢字対応機種化できたものが、MSX2全体でみても圧倒的に少なかったため、当時のソフト開発会社がソフトを販売するためには「最低のライン」のスペックで開発することで、ユーザーの便宜のために無理やり漢字で表示せざるをえなかったわけです。

 これは20年近く前にワープロをご使用の方はご存じかと思いますが、複雑な漢字に対応していない機種で複雑な漢字を表記しなければならない時に使用する「外字」の機能があります。

 外字はユーザー自らがドットを打ちながら、文字を作成することができる機能で、キャラクターを自分で作りたい方が外字を駆使して表記するようなことにも使われておりましたが、スペック不足のハードにおいては、ソフト開発会社の方が大量の外字を作成して、ユーザーが文章を読みやすくする工夫として、このような「無理やり」な漢字で表記しておりました。



 現在も美咲フォントのように8×8ピクセルサイズで表示できるフォントを作成しているところもあります。

 当時の開発者による文献では、家庭用ゲーム機にしてもパソコンにしても30年近く前のゲームでは、ハードのスペック不足により、削られた機能、楽曲、シナリオは多かったものの、開発サイドの努力によりスペック不足をうまく活かしたケースもあったとのことです。(ドラゴンクエストシリーズのHP値によって、パラメータの枠の色を変えるといったこと等です。)

 いろいろな制限がないことはもちろん良いことではあるのですが、上記のようなことから、考え方によっては日常生活において制限のある環境下で物事を考察した場合であっても、いろいろなアイデアが出てくるケースはあると思いました。

ソフトベンダーTAKERUをご存知ですか?

 ソフトベンダーTAKERUは、ブラザー工業によって開発された、世界最初のパソコンソフトの自動販売機です。最盛期には家電売場やパソコンショップ等で全国において300台稼働していたとのことです。

 ソフトベンダーTAKERUは昭和61年から全国で本格的に稼働したもので、ブラザー工業提供のテレビ番組のCMで大々的に宣伝されていたのを記憶しております。

 現在は各種アプリや楽曲等、ダウンロード販売が日常的なものになってきておりますが、パソコンソフトを販売店で購入するのが一般的だった当時、多種多様なソフトを自動販売機で購入できるというのは画期的なものでした。

 ソフトベンダーTAKERUでソフトを購入する手順としては、画面の指示に従って、購入するソフトを選択し、代金を投入します。

 そうしますと、何も書きこまれていないフロッピーディスクやROMカートリッジが出てきます。これをディスクドライブやROMライターといった書き込みができる装置にセットして書きこむことにより、ソフトとして利用できます。

 但し、今と比べて格段に遅い通信回線を通じてデータを書き込んでいたため、ソフトの容量にもよりますがデータの書き込みが完了するのに数十分、長くて1時間程度かかるものもありました

 ちなみに領収書、説明書の類は、プリントアウトされて提供されました。



 ただソフトベンダーTAKERUは、ソフト販売にかかる通信費用がものすごく高くついてしまっため、平成9年2月にサービスを終了しました。事業としては成り立つことはありませんでしたが、ここで得られたノウハウは、ブラザー工業の子会社「エクシング」が運営する、通信カラオケのJOYSOUNDの開発に大いに役立ちました

 ちなみに私がソフトベンダーTAKERUを初めて見たのは、かつて長野県諏訪市の上諏訪駅前にあった「諏訪丸光」の家電売場でした。当時はその大きさに圧倒されました。

 その後地元の「ダイエー長野店」に設置され、当時購読していたパソコン雑誌のログインやMSXマガジンで監修されていたソフトをソフトベンダーTAKERUでよく購入していました。(当時、中学生だった私にとって、ソフトを手軽な価格で購入できたので、大変有難かったです。)

 しかし当時お客さんが多かった諏訪丸光やダイエー長野店が、今はもう閉店してしまったというのは隔世の感があります。

意外に少ない ラグビーを題材にしたテレビゲーム

 ラグビーのワールドカップ1次リーグB組で日本は、強豪の南アフリカ共和国を34対32で下したことは皆様ご存じの通りです。

 ラグビー選手やファン等、関係している人の発言を見ておりますと、今回の試合結果がいかに偉業であったことがわかります

 さて当ブログでは、ラグビーはラグビーでも「レトロゲーム」のラグビーを取り上げたいと思います。数あるスポーツゲームの中、野球やサッカー、テニス、ゴルフといったテレビ中継の多いスポーツに関しては、昔から数多くのテレビゲームが存在しました。

 しかしながら、ラグビーを題材にしたテレビゲームは数える程度しかないような状況です。

 以前のレトロゲームの記事でもご紹介いたしましたが、私は30年前は、MSXユーザーでしたので、どうしてもMSXのソフトに偏ってしまいますが、そのような中、当時家には「パナソフトのラグビー」なるゲームがありました。

 このパナソフトのラグビーですが、発売元は松下電器(現在のパナソニック)で、キーボードとジョイスティックで操作可能となっており、コンピューターとの対戦、仲間内での2人対戦もできるソフトでした。

 発売は昭和60年であり、当時かなり遊んだ記憶があります。私はラグビーの大まかなルールをこのゲームで教わったゲームでもあります。



 現在からすると松下電器がテレビゲームを作っていたというのは隔世の感がありますが、当時は野球やサッカーのゲームも作っておりました

 ソニーと同様に松下電器もMSXのハードや関連商品に力を入れておりましたので、当時を知る人からすると何をいまさらといった感覚なのかもしれません。

 とにかく選手のけががないよう、今後のラグビー日本代表の活躍をお祈りしております。