三重新幹線構想とは何か?

 平成23年5月、伊勢方面へ家族で旅行にいったところ、鳥羽商工会議所の壁に次のような横断幕がありました。

 「実現させよう 三重新幹線」

 このブログでも整備新幹線に関する記事をいくつか取り上げておりますが、その時まで、この構想を聞いたことがなかったので、何のことだろうと思い、旅行から帰った後、調べてみました。

 初出は、平成7年の三重県知事選挙に立候補した北川正恭氏がその公約として、「東京・三重県間を直結させる新幹線の構想」を打ち出したのが始まりです。

 北川氏が知事に当選後、三重県による三重新幹線導入の検討調査が行われ、平成11年に「実現性がある」との最終結果が県議会に報告されました。

 この結果により、先述の鳥羽商工会議所等が中心となって推進協議会が設立されました。

 
 しかしながら、直通先のJR東海が「現状の東海道新幹線のダイヤで、乗り入れるのには不可能。」という見解で、現在もこの構想が実現しておりません。現在も鳥羽商工会議所を中心として、三重新幹線誘致活動は続けられています。

 この構想の詳細は、東京・名古屋間を東海道新幹線上に車両を走らせ、名古屋から先は、JR在来線・伊勢鉄道に標準軌用のレールを1本追加して3線軌条として、鳥羽、新宮方面をめざすミニ新幹線を導入する「存来線改良案」

 もう一つは、名古屋から新幹線と同じ標準軌である近鉄線に乗り入れる、「近鉄線利用案」

 三重県によって行われた検討調査では、「存来線改良案」で試算が行われ、平成11年6月23日 に行われた県議会生活振興委員会で、ミニ新幹線導入の試算が報告されました。


 その試算は次のとおりです。
 
 時短効果
 東京・鳥羽間 現在よりも約50分の短縮
 東京・新宮間 現在よりも約75分の短縮

 事業費(工期4年程度)
 名古屋・鳥羽間 約857億円
 多気・新宮間 約659億円
 総事業費 約1,516億円

 1日当たりの旅客の増加数 投資回収年
 名古屋・鳥羽間 5,900人 開業後7年目で投資回収
 多気・新宮間 2,000人 開業後16年目で投資回収





 平成11年にJR東海は将来、中央新幹線が開通した際には、ダイヤに余裕ができる為、東海道新幹線への車両の乗り入れは可能であるとしています。

 初出 平成27年 6月17日 

北陸新幹線以外の長野・北陸間の短絡線計画

 
 北陸新幹線が平成27年3月に長野・金沢間が延伸開通しました。

 この開通により長野・金沢間は、特急白山時代に3時間20分(200分)かかっていたのが、最短65分。長野・富山間も最短45分と凄まじいことになっております。

 北陸新幹線が開通するずっと前に長野・北陸間の短絡線計画があったことをご存知でしょうか。今回は、それを取り上げます。

 大正時代の話ですが、大正8年に長野市・北城村(現白馬村)間の鬼無里鉄道の計画がありました。これは長野市・北城村(現白馬村)間に鉄道を敷設し、現在の大糸線経由で北陸を目指すルートです。鬼無里鉄道はその後、長北電気鉄道(北長電気鉄道)と名を変え、昭和3年7月、善光寺白馬電鉄株式会社に改称しました。昭和5年11月に長野・鬼無里間の工事認可となりました。

 この鉄道は、善白鉄道と呼ばれ、ガソリンカーで昭和11年11月に南長野・善光寺温泉東口間の営業開始、昭和17年12月には南長野・裾花口間が開通となりました。

 しかし戦争の激化により不要不急の路線となり昭和19年1月に休止となり、昭和44年7月にはルート上に裾花ダムが建設されることになったため廃止となり、現在は、善光寺白馬電鉄株式会社は運送業となり、長野市内で善白のトラックをよく見かけます。

 次の計画は信越西線といいますが、善白鉄道が休止している中、昭和39年7月に長野市や財界を中心に信越西線建設期成同盟会が設置されたものの、結局予定線として昇格されることなく、先述の裾花ダムの建設計画により消滅することとなりました。

 なおルート構想では、国鉄信越本線(現しなの鉄道)三才駅を起点とし、戸隠 、鬼無里を経て白馬に繋ぎ、白馬からは国鉄大糸線を経由して糸魚川へ向かう計画でした。




 また北陸新幹線にしても現在の長野駅を出て、飯山を経由するルート以外にも長野駅から白馬を経由して立山にトンネルを掘って富山県へ行くルートも考えられておりましたが、技術的に難しいことから現在のルートになったという話もあります。

 初出 平成27年 6月 2日 

2つのミニ新幹線の線形改良について

 国内には、山形新幹線・秋田新幹線の2つのミニ新幹線があります。

 ミニ新幹線は、既存の在来線の線路や信号等の設備を少々改良することにより開業できます。工事はフル規格に比べて短期間で済み、費用もかからず、乗り換えなしで目的地に行けるといったメリットがあります。

 その反面、線形については基本的に在来線とほとんど変わらないため、スピードアップをすることができず、気象状況により運休や遅延が数多く発生しております。

 この問題を解消するため、JR東日本やミニ新幹線の沿線自治体では、新規のトンネル建設の検討を行っております。

 まず山形新幹線では、奥羽本線の庭坂・米沢間に約22kmのトンネルを建設を検討しており、工事費は約1500億円、フル規格新幹線「奥羽新幹線」に対応できるものとする場合は、1620億円であるとJR東日本は試算しております。

 このトンネルができますと、東京・山形間の所要時間は現在に比べて10分程度の短縮となります。

 また秋田新幹線では、田沢湖線の赤渕・田沢湖間の18.1kmの改良を検討しており、既に平成27年5月には現地での調査が行われております。

 計画では、赤渕・田沢湖間にある単線の仙岩トンネル(約3.9km)の代替となるトンネルを建設するもので、仙岩トンネルより長い直線のものを整備したい(単線のもの)としております。




 いずれの計画も実現すれば良いと個人的には思います。特に山形新幹線のトンネルについては将来を見据えて、成田新幹線の時のように建設の着工から白紙化という、計画から現在に至るまでの無駄な時間と費用等、スカイライナーや成田エクスプレスの都心から空港までの所要時間を考えますと、多少整備費用がかかったとしても、フル規格での整備が望ましいと考えております。
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