JR九州、九州新幹線・長崎ルートでのフリーゲージトレインの導入を断念

 JR九州は、平成34年度に開業予定の九州新幹線・長崎ルートでのフリーゲージトレインの導入を断念することとなりました。正式に政府・与党に伝えるのは平成29年7月となります。

 JR九州は、平成28年12月から平成29年3月まで、フリーゲージトレインの検証走行試験を実施しておりました。今回の導入の断念はこの試験結果によるものです。

 JR九州はこれまで、フリーゲージトレインの導入で技術的レベルでは問題はないものの、既存の新幹線のシステムに比べ2.5倍から3倍の費用がかかるとしていました。

 現在、同ルートは武雄温泉・長崎間をフル規格で着工しておりますが、JR九州がフリーゲージトレインの導入を断念することにより、将来的に新鳥栖・武雄温泉間をフル規格で整備するのか、3線軌条で整備して「ミニ新幹線」にするのか、新幹線の武雄温泉・長崎間のみの運行となるのかということになります。

 以前にも当ブログで述べましたが、武雄温泉・長崎間のみの区間を新幹線規格で建設されたとしても大した時間短縮効果が得られず、意味のない整備となってしまいます。

 ただ同ルート全線をフル規格で整備した場合は、現在の博多・長崎間の最速列車の半分の所要時間になるともいわれております。

 またフリーゲージトレインでは山陽新幹線内に直通することに難色を示していたJR西日本にしても、フル規格であったら、長崎から山陽新幹線に直通して「新大阪」まで運転し、お客さんは乗り換えなしで移動できるということも現実的にありうるでしょう。

 佐賀・長崎両県の「長崎ルート不要論者」の方の意見を拝見してみますと、博多・長崎間の移動での時短効果のことにしか問題点として触れられておらず、長崎県や佐賀県にある各都市と山陽地区・関西地区の各都市への都市間移動については全く触れていないという、北陸新幹線沿線に住んでいる、私からすると「不思議」な主張をされている感覚です。

 これは九州新幹線の鹿児島ルートが全線開業し、関西地区や山陽地区から熊本県や鹿児島県の各都市へビジネスや観光で訪れる方が大きく増加したという「九州でのニュース」があるのにです。

 並行在来線の問題を挙げて、長崎ルートが不要であるという意見もありますが、この地域が人口減少となっている現状で、新幹線整備をやめたからといって、基礎的な社会資本のない地域が将来的に西日本の地域内競争に勝てるとは思いません。




 個人的には佐賀・長崎両県の長崎ルート沿線の方には、地元の発展のためにも全区間のフル規格整備のために動いていただきたいと思います。