JR佐世保線にフリーゲージトレインで乗り入れた場合、採算に達しないとの調査結果

 九州新幹線・長崎ルート(以下長崎新幹線)は、平成34年度中に開業させるべく、各地で工事が始まっております。

 フリーゲージトレインの開発が難航していることから、博多・武雄温泉間は在来線特急で走行、武雄温泉駅では同一ホームにて、長崎方面(フル規格)に乗り換えるという「リレー方式」で暫定開業するという報道がありました。

 ただリレー方式やフリーゲージトレインでは、時間短縮効果が得られないことから、一部自治体では長崎新幹線の全線をフル規格に格上げすべきとして、活動を行っているところが複数ありますが、今回の記事ではフリーゲージトレインでJR佐世保線に乗り入れた場合の収支について取り上げます。

 平成27年度に長崎県と佐世保市が共同で行った調査によるもので、博多・佐世保間をフリーゲージトレインで移動する場合の費用対効果について、長崎県議会の総務委員会で報告されたものです。

 その結果、JR佐世保線にフリーゲージトレインで乗り入れた場合、いかなる速度であっても採算に達しないとの調査結果となり、いかなる速度でも費用対効果の数値は「0.5」を下回るとの結果が発表されました。

 ただ在来線の線路や特急列車等の改良をして、最高速度時速130キロメートルで走行できるように整備された場合は、費用対効果の数値は「2.16」に達するとの結果が発表されました。



 当ブログでは繰り返し述べておりますが、全線をフル規格で整備した場合、博多・長崎間の所要時間は現行の半分になるともいわれております。

 北陸新幹線の未開業区間沿線(近頃では福井県と京都府)に比べて、佐賀県区間の沿線住民の建設にかける熱意というものはさほど感じられません。

 他の地域との競争に負けないためにも、関西・中国・九州の各都市の時短効果、ビジネスや観光でそれらの地域と結びつきを深めるためにも、社会資本整備というものは大変重要であると思いますので、個人的には長崎新幹線を全線フル規格で整備するべきであると思います。