JR北海道、デュアル・モード・ビークルの実用化を断念へ

 JR北海道は、線路と道路の両方を走行できる「デュアル・モード・ビークル」の実用化を安全対策や北海道新幹線への集中投資を理由に断念することになりました

 デュアル・モード・ビークル(以下、DMV)は、平成16年に試験車両が開発され、除々に改良をされ、線路・道路の双方で試験走行が行われてきました。

 DMVは、マイクロバスをベースに開発されたDMVの車両は、タイヤと車輪を装備しており、定員は約30人となっております。

 JR北海道以外にも、静岡県富士市では富士駅・新富士駅間と岳南鉄道で走行試験を平成18年11月に行なっていたり、岐阜県の明知鉄道では平成22年3月にDMVに一般市民を乗せて実証試験を行なっていました。

 導入のメリットとしては、鉄道車両に比べ、DMVは運行にかかるコストを抑えられ、燃料の消費量は鉄道車両の約2割で済むと言われております。

 また鉄道がないところでも、DMVの車両は走行できるため、車両から乗り換えることなく、病院や学校等の公共機関に立ち寄れたり、災害等で線路が寸断されていても並行する道路があれば、道路の方へ迂回することも可能であることです。

 ただデメリットもあり、現行の法律では、DMVを運行するには、鉄道・バス双方の免許が必要で、運転手が2人必要になり、人件費の問題がありました



 DMVは、地方の新しい公共交通政策に役立つであろうと期待されただけに残念です。ただJR北海道では実用化を断念しましたが、開発時に得られたデータは外部に提供されますので、DMVを導入しようと考えている自治体や鉄道会社は多く、私はいつかはDMVが実用化されるものと考えております。

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