甲子園球場だけではなく、西宮球場でも全国高等学校野球選手権大会が行われたことがあるという事実

 西宮球場は、昭和12年に開場し、平成14年末をもって閉鎖されました。現在は取り壊されて、跡地には「阪急西宮ガーデンズ」が開業していますが、かつて西宮球場で、全国高等学校野球選手権大会が行われたことがあるということをご存じでしょうか。

 西宮球場といいますと、私の小学生の頃にはプロ野球チーム「阪急ブレーブス」の本拠地であり、今でもその名を聞くと懐かしく感じる球場で、実際に行ったことはないものの、当時野球中継・速報では、いい球場だなと当時思っておりました。

 昭和21年、全国高等学校野球選手権大会の前身である、全国中等学校(旧制)優勝野球大会(第28回)は、この年、甲子園球場をGHQの接収により、使用できなかったため、全試合を西宮球場で実施しました。(翌年から、甲子園球場で全試合を実施することとなりました。)

 昭和33年の全国高等学校野球選手権大会は、第40回の記念大会として、琉球列島米国民政府下の沖縄を含む、全都道府県の代表が出場する初めての大会で、日程の関係から3回戦までを甲子園球場と西宮球場で実施しました

 また昭和38年の第45回全国高等学校野球選手権大会も、返還前の沖縄を含む全都道府県の代表が出場する大会となったため、第40回と同様の理由で、3回戦までを甲子園球場と西宮球場で実施しました




 ただ全国高等学校野球選手権大会が、「夏の甲子園」といわれることから、敗退したチームで西宮球場でしか試合のできなかった学校なり地域では、「不公平」であると苦情があったことから、以後甲子園球場でのみ試合が行われることになりました。 

 よって西宮球場では、前身の旧制中学時代の大会を含めて、3度の「夏の大会」が実施されたということでした。