日本ではありえない飛び地の話 インドとバングラデシュの双方の飛び地交換

 インドとバングラデシュが、双方の国境付近にある飛び地を交換することになりました。双方の飛び地には、約5万人が住んでおりましたが事実上、国籍国の行政サービス等を受けられないケースがあったことから、無国籍状態となることもあり、今回の飛び地解消により、この問題が解決することになりました。

 飛び地が解消したのは8月1日で、インドにある51か所のバングラデシュの飛び地とバングラデシュにある111か所のインドの飛び地が解消しました。飛び地の住民は、現在の土地に残り国籍変更をするか、国籍変更をせずに移住するか選択することとなりました。

 1947年にインドとパキスタンは英国から独立し、パキスタンの東パキスタンは1971年に分離独立し、バングラデシュが建国されました。

 この当時から、インドとバングラデシュとの間では、飛び地解消を目指していましたが、なかなか合意することができずにいて、6月に入ってから双方の土地交換を行うことにより、飛び地を解消することになりました。

 今回、インドにあるバングラデシュの飛び地に住むバングラデシュ人がインドへの国籍変更を行った人数は約1万5000人です。

 しかしながら、バングラデシュにあるインドの飛び地に住むインド人の大多数は、国籍変更でバングラデシュ国籍となったということです。



 今回の飛び地解消で、家族によっては、移住をする人がいたり、そのまま住み続ける人もいたりと、個々の国籍が違うケースも起きているようです。

 外国にはこの他にも飛び地があり、飛び地解消のために回廊の設置をしたり、隣国に便宜を図ってもらい、本国と飛び地間の特別通行許可証を発行してもらうことにより、できる限り飛び地に住む人のデメリットを減らす政策が行われております。

最近の北海道新幹線関連の話題

 最近の北海道新幹線関連の話題をピックアップしてみました。

 ・北海道新幹線の開業を平成28年3月26日で調整

 北海道新幹線の開業日を今後、JR北海道とJR東日本の取締役会で正式決定し9月中旬に発表する予定。開業を3月下旬としたのは、3月初旬より前であると北海道で大雪が降る可能性があるため、それを避けることからとのことです。

 ・北海道新幹線の新函館北斗駅前の立体駐車場を所有する北斗市は、利用料を当面無料とする方針。

 函館市の中心部から、新函館北斗駅と木古内駅へ車で向かう場合の所要時間の差が約30分であることから、北斗市のこの発表の前に木古内駅前駐車場の全面無料化を決めていたため、木古内町にマイカー客の流出を防ぐのが狙いです。 

 ・北海道新幹線の宇都宮停車を要請

 北海道の荒川裕生副知事が、東京・新函館北斗間を走行する「はやぶさ」に、1日に数本程度、宇都宮駅停車を設定するようJR北海道に要請。狙いは、交流人口の拡大や広域観光の振興に役立つことから。



 ・H5系電車による訓練運転を8月22日より行う

 先日、北海道新幹線の新青森・新函館北斗間の開業にあたり、H5系電車による訓練運転を8月22日より行うとアナウンスがありました。運転士や車掌の訓練はもちろんのこと、指令による列車運行管理の訓練も実施し、新青森・新函館北斗間において深夜から未明にかけて、週4回程度、訓練運転が行われます。

 深夜から未明にかけて訓練が行われるのは、北海道新幹線が在来線と線路を共用することが理由で、異常発生時の対応のために、日中に訓練を行う場合もあるそうです。

JR北海道、デュアル・モード・ビークルの実用化を断念へ

 JR北海道は、線路と道路の両方を走行できる「デュアル・モード・ビークル」の実用化を安全対策や北海道新幹線への集中投資を理由に断念することになりました

 デュアル・モード・ビークル(以下、DMV)は、平成16年に試験車両が開発され、除々に改良をされ、線路・道路の双方で試験走行が行われてきました。

 DMVは、マイクロバスをベースに開発されたDMVの車両は、タイヤと車輪を装備しており、定員は約30人となっております。

 JR北海道以外にも、静岡県富士市では富士駅・新富士駅間と岳南鉄道で走行試験を平成18年11月に行なっていたり、岐阜県の明知鉄道では平成22年3月にDMVに一般市民を乗せて実証試験を行なっていました。

 導入のメリットとしては、鉄道車両に比べ、DMVは運行にかかるコストを抑えられ、燃料の消費量は鉄道車両の約2割で済むと言われております。

 また鉄道がないところでも、DMVの車両は走行できるため、車両から乗り換えることなく、病院や学校等の公共機関に立ち寄れたり、災害等で線路が寸断されていても並行する道路があれば、道路の方へ迂回することも可能であることです。

 ただデメリットもあり、現行の法律では、DMVを運行するには、鉄道・バス双方の免許が必要で、運転手が2人必要になり、人件費の問題がありました



 DMVは、地方の新しい公共交通政策に役立つであろうと期待されただけに残念です。ただJR北海道では実用化を断念しましたが、開発時に得られたデータは外部に提供されますので、DMVを導入しようと考えている自治体や鉄道会社は多く、私はいつかはDMVが実用化されるものと考えております。

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